第160章 真実
「はぁはぁはぁ……」
遠くで伊地知さんが私を呼んでる声がする…
〈さん!待って!!
悟さんの声で私を呼ぶ乙骨さんの声がする
それでも私は止まらず走りました。
いろんな事が頭の中を駆け巡ります。
悔しいけど
それは全部全部全部…幸せな思い出ばかりだった
初めてあった高専に向かう道…
初めて抱かれたあの時…
そして死ぬかと思った50階落下………
「はぁはぁ……落下?………」
(もしかして!!)
私は一度立ち止まり
スマホの画面を解除し
朝早く悟さんから届いたメッセージを開きます。
そして添付された画像を見ます。
「……やっと………やっと…………
悟さん…私……やっと分かったよ……
どこに居るかわかったよ…………」
"ドサッ!"
私はスマホを胸に抱きながら
しゃがみました。
「わぁああああーんっつ!!!」
そして
人目も憚らず声をあげ泣き出しました。