第160章 真実
直前まで冷凍されていたのでしょう。
棺桶の中の乙骨さんは
触れなくとも凍っているのがわかります。
伊地知
「五条さんが亡くなったのは2年前。
乙骨くんもこの通り日にちは違えど
外傷が酷い状況で死が迫りました…
そして…ギリギリのタイミングで
五条さんの身体に受肉が成功したのです。
どのようにそうなったのか…
さんに詳しく
ご説明をしましょうと五条さんに提案したのですが、
さんは腹貸し家ではあるけれど
"パンピー"だから勘弁してあげてと
リクエストがあったので一部割愛します。」
私は凍っている乙骨さんの
身体全体をゆっくり…ゆっくりと見ていきます……
「タチが悪い嘘…
気持ちが悪い嘘……
なんでこんな嘘吐くんですか!!」
「嘘じゃないんです。
さんごめんなさい。
先生に頼まれて今まで嘘を……」
「!!」
棺桶の横に立っていた悟さんが
声はそのままに
乙骨さんの口調で話出しました。
伊地知
「でもですね!
ちょっとこれが複雑でして…
五条さんは本来は亡くなっていますが
魂は身体に残り続けていて
乙骨くんと交代でお仕事を続けておられました。」
「ちょっ…ちょっと待ってください!
待ってください…
でも……乙骨さんは確かに
確かに生きていて…
子供達とも遊んでくださったり……
ドレスの写真も!!」
伊地知
「呪術師には沢山の能力を持った者がおりますので…
そういった方々のお力を借りながら
乙骨くんは定期的に具現化を繰り返し
五条さん(魂)に身体を明け渡していたのです。
ですが…」