第1章 狐嫁
女中頭さんがお部屋からお出になられると、
私は壁にかけられている
3着のお着物の前に立ちました。
右から
青🔵
赤🟥
薄ピンク🩷
(困ったわ...)
色が違うだけで、
柄もなくシンプルなお着物です。
「女中はきっと私だけではないですよね。
きっと先輩方が居るはずだわ。
先輩方は何色をお召しになっているのでしょう...」
先輩と同じ色というのも気が引けますから。
慎重にならなくてはいけません。
(女中頭様は紫色でしたから...
お色で格付けをするならば)
「紫が1番格上のお色ならば、
次は青...そして赤......
もっとも格下な色は薄ピンク🩷ですね。」
幼い頃に、
祖母から教わった雑学が
意外なところで役に立って感謝しかありません。