第121章 出産
ー出産3日後ー
【視点】
「そっか…そうだったのね……」
誕生した娘を抱き上げ、
授乳している時に…
私の頭の中に風が吹いた…
これは例えだけれど、まるでそんな感じ?になり
長い間、枯葉などに埋もれていた記憶が蘇ってきたのです。
赤ちゃん
「んくっ…んくっ……」
「……お兄ちゃんと同じ…
チビちゃんも良い飲みっぷり…ね……」
そして両目から涙が溢れてきました。
「思い出したわ…私は……」
娘は私のおっぱいに触れながら、
幸せそうにゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいる。
その姿が守の小さな頃と重なって…
どうしても泣けてきちゃう。
(どうして今まで忘れていたのだろう…
時子さんがあんなに怒っていたことも、
悟さんが私に冷たくしたことも、
全部…私のせいだったというのに…)