第120章 思惑
【その日の深夜】
なんだか眠れないので、
"あの日の事"を思い出しています。
あの日とは"私が意識を無くした日"のこと。
(そもそもなんで私は、
意識を無くしたんだっけ...)
暗い天井を見上げ
頭の中を見渡すような…そんな感じで
思い出そうとすると…
「そうだ意識を無くしたのは、
風邪をひいたからだったわね。
高熱が出て、意識混濁をして…」
←全然違う
(ずっと玉木さんが……付き添って……
仕事に私の看病に大変だったのよね。
って…そうだったかな…
なんだか違う気がする……)
ここ数日、
一人ぼっちになってから
亜緒さんに対しての愛情が
冷めてきているのを感じています。
冷めてきている…
ではなくて"通常"に戻っていくような。
上手く言葉で表現できないのが苦しいですね。
「守くん…五条さん…」
逆にこのお二人の名前に愛おしさが
込み上げてきているのは内緒の話。