第117章 特級の男、腹貸しの嫁 II
五条悟
「ところでちゃんはどこだい?」
朝一で病院に訪れた悟様が病院の正面玄関の前で
待っていた私の前に現れました。
(姿…形…特にお変わりが無いですね…
無事に体内の簪が形代として
上手く機能しているのでしょう。)
玉木
「こちらです、ご案内を致します。」
五条悟
「あっ☝️
玉木、部屋番号だけ教えてくれたら僕1人で行くから
守を連れてきてくれないかい?」
玉木
「守…様ですか?」
五条悟
「そうっ!守ね。
ちゃんを救う為には守が必要なんだよ。
凄いんだよ守は。
あぁ、見えて"最強"なんだから〜。」
悟様はこんな状況でありながらも、
ニコニコ笑いながら自慢気に話されます。
(悟様がそう仰るなら、
私の疑問は白紙にして守様をお連れしなくては
いけませんね。それで様が助かるなら…)
「畏まりました。
様の病室は305号の個室です。」
五条悟
「305ねー。それじゃ行くとするか。
ちゃんとは久しぶりに逢うなー
楽しみだよ。」
玉木
「……」
悟様は、
私に右手で手を振るとエレベーターに向かい
歩きはじめました。
(…気持ちを抑えなければ…
様のお父様のように…)