第117章 特級の男、腹貸しの嫁 II
玉木
「…あなたは?」
そんな気分が沈んだ私と、
未だに意識が戻らない様のもとに
?
「こんにちわ。
貴方の上司と同期の家入よ。
今日はさんのお腹の赤ちゃんを
診察にきたの。
悪いけど外に出てくれないかしら?」
目の下の隈が心配になるくらい濃い
女性が病室に入って来られ、
さっそく聴診器やいろいろな道具を
バッグから取り出しはじめました。
(上司?
……悟様ですね!!!
という事はこの方は…家入粧子様!!)
玉木
「診察をした後は
家入様自ら治療をしてくださるのですか?」
手際よく準備を進めている後ろ姿に問いました。
家入
「いえ、
私はさんを診察しにきたのではないのよ。
貴方の上司にお腹の中の娘の様子が気になるから
見てきて欲しいと頼まれただけ。」
玉木
「!!」
家入様の言葉に私は驚きました。
確かにお子様を第一に考えるのは
夫として間違いではないのですが...