• テキストサイズ

五 条 の タ ネ .

第111章 KIDNAPPING.





俺はとりあえず、

北の方角を探すことにした。








(サトウキビ畑ばっかだけど、

移動するなら道沿いじゃね?)









こっちは見つかる可能性が低いから

のんびり歩きながら周りを見ていると...









「ん?」










「おかあー!おかあーー!!」









(あの子供…)










白髪で銀梅眼の父親より

少し柔らかめ?なフェイスをした守くんが

キジムナーの石像が並ぶ横で

焼きとうもろこしを抱いて

真っ暗の中、腹貸し家をさがしていた。








「守くん。1人でこんな場所にいたら

皆んな心配するよ。戻ろう。」








声をかけると守くんが俺の方を見た。










「おかあー おきたらいなくて...

おなか すいてる! あかちゃんいるから!」








(ん?泣きそう?)









泣いてはいないけど、

瞳は潤っている。

彼なりに母親が心配なのだろう。










「いま、皆んなで捜してるから大丈夫見つかるよ。

だからお兄ちゃんと帰ろう。」








俺は守くんに手を差し出す。











「…うん…」









(聞き分け良いな。育て方が良いんだろうな。)









当然納得していないようだが、

こちらの提案を聞き入れてくれたことは

年齢よりしっかりしているなという印象。









(守くんの妹との護衛か……)









少しずつ俺の考え方が変わっていくのを感じる。







/ 5671ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp