第108章 KANZASHI.
玉木
「それは...良かったです!!
もちろん見つけられた悟様も凄いですが、
宿儺様も凄いですね。
何故、1000年も前の簪が
形代になると判断したのでしょうか...
私達には計り知れない知識量...
素晴らしいとしか言いようがないです。」
静まった居間に玉木さんの言葉が響きました。
(確かに...そうですね。
悟さんでは見つけられなかった
厄から私を救う方法を知っていた...)
宿儺さんが居なかったらと思うと...怖い...
(宿儺さんに感謝を伝える
的確な言葉が...見当たらない...
ただのありがとうは違うし...
感謝しているも違うわ...)
簪に触れながら、
宿儺さんを思っていたら...
絶対に...絶対に芽生えてはいけない
あってはならない罪深い感情が...
私の奥に眠っていることに気がつきました。
「………」
でもこれはミツさんの"名残り"かもしれない。
私は新たな苦しみに苛まれる事となるのです。
さすが呪いの王...
私の心を犯すなんて...