第104章 宿儺の娘 〜ⅱ〜
お父様の忠告を受け入れた私は、
住居は都に移したものの
生涯...どなたとも夫婦にはなりませんでした。
そして私の次の代...として産み落としたのは...
あの青年の女児です。
「お母様ー!飴細工を頂きましたー!」
腹貸し家は腹を貸す。
腹を貸してお金を得る。
それ以外になんの価値もないと思っていたけれど...
そうじゃないと気付けたのは
この飴細工のような綺麗な"恋"だった。
梅
「良かったわね...大切に食べなさい...」
(願わくば、
この先...腹貸し家というお役目が無くなりますように...)
私は今、
あの人の腕の中で眠りにつきました。
夫婦にはなれなかったけれど...
こうやって最期を迎えられたこと
喜ばしく感じます。
?
「梅...梅ーーーッ!!」
娘
「お母様?お母様ーー!!」