第11章 番人
高倉
「さん、
鼻から手を退かしても大丈夫ですよ。」
高倉さんは、
見た目とは違い優しい声色です。
「危ないところを助けて頂いて
ありがとうございます💦
あの、おばちゃんは大丈夫でしょうか?」
私はまだ高倉さんの腕の中です。
高倉
「先輩は人生経験が豊富ですから、
ニワカに負けるはずはないので大丈夫です。」
(先輩...?)
高倉さんもハウスキーパーの方のようです。
不審者への対応がバッチリなんて
病院のセキュリティの高さに驚きと
感謝しかありません。
高倉
「ずぶ濡れですね💦
早くお部屋に戻って着替えましょう!
身体に障りますから。」
私は高倉さんに抱かれたまま
病室に戻りました。
(それにしても...
あの男の人...私が腹貸し家って知っていたみたい...
悟さんとも連絡が取れないし...
私とこの子...どうなってしまうのかしら...)