第89章 tamaki
息苦しくて、
一度廊下の壁に背中を預けて
私は座りました。
(大丈夫...大丈夫...大丈夫よ...)
〈突然訪問してしまい...申し訳ございません...
「!!」
玄関の外から玉木さんの声が聞こえてきました。
"バサッ"
私は両耳を手で押さえ、
その場にしゃがみます。
〈…どうしてもお話がしたいのです!!
五条家の方や悟様にもご了承を頂いております!!
あの日の私は間違っておりました!!
心を入れ替え2度と同じ過ちをしないよう
精進してまいりますので!!
もう一度...もう一度お側で使用人として...
心配なのです!!貴女が...守様が!!」
(何を言ってるの!?
五条家の皆さんと悟さんが承諾!!?
そんなこと絶対にない!!)
「警察を...警察を呼びますよ!!?
ハァハァハァ...ハァハァハァ...
出て行って...出て行ってください!!」
私はありったけの声を張り上げて
外に向かって叫びました。