第60章 車輪の唄〜伝言を添えて〜
男は体育座りをし、
身体を小刻みに震わせながら
話し始めた。
男
「アンタは知ってるか....
アイツらは人間じゃない....」
頭花
「は?」
男
「アイツらはキジムナーの夫婦で、
"心"が汚い人間を狩場...
異次元に迷い込ませ捕獲して...
髪を刈り上げ、
心を清めて元の世界にリリースしてるらしい....」
頭花
「は!?」
(意味わかんねー!
キジムナーの夫婦ってなんだよ!!
つか頭刈り上げたからって
心が綺麗になるわけねーじゃん!wwww)
頭花
「つか俺、心綺麗だけど!?」
←自分で言っちゃう痛い人
男
「...ではアナタは、
玄関前に正座で座らされていた
男の子にひと言でも声をかけましたか...?」
頭花
「!!」
なんでそれを!!
っという気持ちと...ハッとした。
確かに俺は男の子に"大丈夫か?"のひと言も
声をかけなかったからだ。
男
「これは私も"先輩"に教えてもらったんです。
先輩と言っても私達と同じ迷い込んでしまった
方からですが...」
(先輩って、そっちの先輩!?
つか、腹貸し家殺しじゃなかったんかい!!
あれ?待てよ...確か...
あっ、俺が間違えたわ。)
男は、
頭に残っている最後の毛...
前髪を触りながら切なそうに呟く。
男
「元の世界に戻る為には、
この前髪も刈られなくては...
...嫌だ...嫌だ...そんなのは絶対に嫌だ!!
俺は接客業なんだ!!
この前髪が必要なんだよ!
渡したくない...渡したくない...( ; ; )」
頭花
「(´⊙ω⊙`)」
ツルツル頭より、
今の前髪だけってのが接客業的にはヤバいだろ?
っと思ったけど言葉を飲み込んだ俺。
頭花
「あんま落ち込むなよオッサン。
そのキジムナーを殺れば出れるさ。」
俺は男の肩にタッチする。
男
「え?💦」