第18章 白鯨にて
気づいたら私は高そうな部屋のベッドに寝かされていた
目の前には組合の団長、フィッツジェラルドが居て、私が必要だと直球に言ってきた
「ねぇ、何で私が必要なの?」
フィッツジェラルドに問いかける
「君はあの女の娘だからだな、興味がある…それに、君は利用価値がある」
(まーた、お母さん絡みか……人気過ぎない?)
「私の利用価値って何?」
「虎の小僧と同様、白紙の文学書の鍵になる」
(文学書……夢の中でお母さんが言ってたやつ)
「私にそんな価値が……」
琴華はぼそりと呟く
「君は月詠家の出だ、しかも巫女となってはな」
「なにそれ?そんなの知らない」
「いいだろう、教えてやろう、それで君の考えが変わるかもしれんしな」