第16章 闇に咲く花魁
紅葉が居た部屋から少し離れたところで太宰の足が止まり、琴華に問いかける
「何で出てきたのかい?」
「ごめん、呼ばれたからつい……」
(気づいていたんだな)
「はぁ……」
「本当にごめん!何か埋め合わせはするから!」
「じゃあ今して」
「今って急に言われても……太宰さんは何かほしいものってある?」
「琴華からの口づけ」
「!?」
(太宰さんってこんな人だっけ?)
顔を赤くする琴華
「それは……ちょっと……」
「何で?」
「は、恥ずかしい……から」
「するまでここから動かない」
(なにその子供みたいな言い方!!)
「や、やる……、から」
太宰は琴華に期待するような目で見つめ、やがて琴華は覚悟を決めて、自分から太宰に口づけた
「こ、これで……!?」
琴華は驚いた
太宰に追加で深く口づけられ、そして太宰は満足そうにした
(ううっ、恥ずかしい!!)