第9章 途切れることがない縁
その頃、太宰は監獄に居た
何故彼は囚われているのか?
それは35人殺しである、泉鏡花にわざと捕まえさせ中島敦にかけられた懸賞金について調べる為であった
「相変わらず悪巧みかァ太宰!」
「その声は」
「こりゃ最高眺めだ、百億の名画にも勝るぜ」
「最悪、うわっ最悪」
「良い反応してくれるじゃないか、嬉しくて縊り殺したくなる」
「わあ、黒くてちっちゃい人がなんか喋ってる」
「!」
「中也、前から疑問だったのだけどその恥ずかしい帽子、どこで買うの?」
「ケッ言ってろサイコパス、今や手前は悲しき虜囚、泣けるなァ太宰……否、それを通り越して……」
中也は太宰の髪を掴み
「少し怪しいぜ」
「……」
「俺は騙されねぇ、何しろ俺は手前の元相棒だからな……何をする積もりだ?」
「何って……見たままだよ、捕まって処刑待ち」
「あの太宰が不運と過怠で捕まる筈がねぇ、そんな愚図なら……俺がとっくに殺してる」