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酸化した世界で君と詠う

第5章 戻れない場所(黒の時代)


少し経った後に太宰が立つと琴華もそれに続いて立った

「琴華、戻るんだ」

「嫌だ!!どうして、こんなことに……森さんも安吾もみんなおかしい!!」

「……」

「私も行く」 

「駄目だ、織田作は私に人を救う側になれと言った、琴華はそのままマフィアにいたほうが良い」

「初めてあったとき言ったよね?誰の許可もいらないって」

「その言葉は撤回するよ、君には闇が似合ってる」

太宰が歩き出し、立ち去ろうとする
だが体が動かない、それは琴華によって後ろから抱きしめてられる形で阻止してきたのだ
琴華は泣きながらこう言った

「置いて行かないでよ……私を1人にしないで」

(何で、私はこんなに太宰さんを執着しているのだろう?)

琴華は頭を巡らせて深く考えた、そしてひとつの答えが頭の中によぎる

(嗚呼そっか、私は……太宰さんのことが好きなんだな、これが恋と言うやつ……か)

「離すんだ」

「絶対に離さない!!」

「初めてだね、琴華が我が儘を言うなんて」

少し経って太宰がため息をした
そして琴華のほうを向き、琴華は光を宿したような目で太宰を見つめた

「自分でも驚いてる……太宰さ__」

「ごめん」

何故太宰が謝っているのか琴華には理解出来なかった
そしてすぐ、首のほうに感覚がした
琴華は気を失った
太宰に気絶させられたからである


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