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酸化した世界で君と詠う

第5章 戻れない場所(黒の時代)


織田とジェイドは同じタイミングで、同じ姿勢で、仰向きに倒れた
その時、足音が聞こえた

「織田作!」

「織田作!!」

太宰と琴華は洋館を駆け抜け、舞踏室に駆け込んだ
そこに至る道にも、舞踏室にも、夥しい死体があった
太宰が扉を叩きつけるように開くと、その先に、倒れている友人が見えた

「織田作!」

「織田作!!」

「太宰……琴華……」

太宰は織田に駆け寄り、傷を確認した
弾丸は胸に貫通し、床に夥しい血だまりを作っていた
明らかに致命傷だった 

「傷が深い、私の治癒で何とかなるか分からない……」

(でもやるしかない、織田作の生存率をあげる為に)

琴華は急いで異能力を使い、治療に励む

「馬鹿だよ織田作、君は大馬鹿だ」

「嗚呼」

織田は微笑んだ、それは満足したような笑みだった

「太宰、琴華……言っておきたいことがある」

「駄目だ、辞めてくれ、助かるかも知れない、いや、きっと助かるよ、だからそんな風に」

「そうだよ!太宰さんの言う通り、諦めちゃ駄目!!」

(絶対に救ってみせる!)


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