第33章 only my feeling
「ありがとう琴華、私を選んでくれて」
「惚れた男と一緒に居たいという思いは普通でしょ」
「それでも私は嬉しい」
二人は引き寄せられるように口づけた
それはまるでドラマのシーンのように
「太宰さん、やりたいことがある」
「それは何だい?」
「陽香さんを__あの人の体をあるべき場所へ戻したい」
「行っておいで」
琴華は頷き、太宰の腕から抜け出して陽香の近くに行く
陽香の体に自分の手を当てて異能を使う
「夏式、那由多の帰還」
(どうか安らかに眠ってください)
琴華が唱えると陽香の体が光に包まれ空に舞う、やがて姿が消えた
琴華は太宰の元に戻ろうと太宰の姿を見た瞬間、映像が流れてくる
(!?)
映像の内容は会話が聞こえなく、刑務所みたいな場所で太宰とフョードルが囚人服に身を包んだを姿で何か話している様子が見えた
そして映像が終わる
(多分あれは……予知、一体どうなっているの?)
琴華は太宰に先程のことを教えようと思ったが言いたくなかった
結局琴華は太宰と一緒に武装探偵社へと帰った
社員達は、琴華の姿を見ると安心しきった顔をするがそれは一人を除いて
その後琴華は国木田にこっぴどく叱られた