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酸化した世界で君と詠う

第30章 月詠燈夜の最高で最悪な過去


「私を愛してくれたからです……私自身を愛してくれたのは燈夜君だから」

「琴葉、こんな俺を愛してくれてありがとう」

「私達の子供を……託していいですか?」

「名前は考えてあるんです……燈夜君が私にくれた名前は琴葉、そして妖艶に舞って華々しく、みんなを笑わせる……そんな子になってほしいと願いを込めて“琴華”という名前で」

「任せろ、琴華は俺がしっかり守る、今度こそ、必ず」

琴葉は頷く

「燈夜君……これを……琴華が大きくなったら渡して……きっとお守りになる」

琴葉は燈夜にお守りを渡す

「嗚呼」

「そして太宰君……」

「?」

「もしこの子が私と同じマフィアの道に入ったら助けてあげて」

「判った」

「ありがとう……二人共」

琴葉の体は光に覆われ、やがて消えていった
それと同時に燈夜と太宰は元に居た場所に戻る



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