• テキストサイズ

酸化した世界で君と詠う

第30章 月詠燈夜の最高で最悪な過去


部屋に居たのはベッドの上で寝ている琴葉
その隣に森鴎外、太宰治が居た

「状況を教えろそしてそのガキは何だ?」

「一気に質問しないでほしいな、先ずは琴葉ちゃんのことは手紙に書いてあった通りだよ」

「……」

「次にその子の紹介だね……この子は太宰治、琴葉ちゃんに懐いている子供だよ」

「子供を使うなんてマフィアは人不足だな」

「うん、まぁ否定はしないよ」

「琴葉は俺が何とかする」

「君一人で何とかするのは難しいと思うよ、病名すら判らないんだもの」

「はぁ!?手前はそれでも医師か!!」

「私はただの街医者だよ、君が求めることは出来ない」

「……」




その日以降、俺は毎日のように琴葉の部屋に訪れた
時には治癒の異能力者・呪解の異能力者を呼んでやってみたが結果は変わらず、だが俺は琴葉を治すことを諦めなかった
そんな生活が一年経ったある日、あいつが現れた

「琴葉……俺はどうしたらいい?どうしたらお前を救える?」

(どうしてこうなった?何かの病気か?)

琴葉の手を握り、強く願う燈夜
隣には太宰が居た

「琴葉さん……」

太宰は琴葉に向って心配をするような声で言った

「そう言えばお前は何故琴葉の側を離れない?」

「それは僕の勝手でしょ?まぁ強いて言うなら色々なことを教えて面倒を見てくれた人だから……離れたくない」

「……」

“居たーー何処を探しても見つからなかったから結構時間が掛かっちゃった”

何処からか声が聞こえる
次の瞬間、辺りは草原みたいな風景が急に変わった



/ 263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp