第30章 月詠燈夜の最高で最悪な過去
燈夜がまだ若かった頃の話、その頃の燈夜は荒れていた
※ここからは燈夜目線、()は燈夜の心の中
「くっそ、軍の奴ら俺を蟻のように働かせやがって」
(腹が立ってくるな)
燈夜がブツブツと文句を歩いていながら言うと
「ここは何処でしょう……」
フードを被った緑髪の女性が辺りを見渡しながら歩き、燈夜とすれ違う
気づいたら燈夜はその女性の姿を見ていた
(綺麗な女だな、あいつで遊ぶか)
「そこのお嬢さん、良かったら俺と飲みに行きませんか?」
「えっと……私、用事があるので」
「用事だなんてそんなの後でやればいいじゃないですか」
燈夜は強引に女性を連れていき、高そうなバーに入った
「俺が奢りますから好きなものを頼んでください」
「え、でもそんな……」
「俺がやりたいことですし気にしないでください」
「は、はい」
女性が微笑む
「っ……」
顔を逸らす燈夜
「すみません、私お酒には詳しくなくてあなたのオススメを飲んでみたいです」
「オススメのやつですね、わかりました」
お酒を注文し席に届いたところで燈夜は口を開く
「あの……フードを脱いでも良いような気がします」
「そうですね、邪魔ですし脱ぎますか」
女性がフードを脱ぐ
「!?」
(……美人だな)
燈夜が女性に見惚れていると
「あの……そんなに見つめられると恥ずかしいです、何かあるのですか?」