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酸化した世界で君と詠う

第22章 魔人の策略


「え?」

「街で“異能者殺し”が大活躍して一番困る組織は何処だと思う?」

太宰は敦に問いかけた

「異能特務課ですか?」

「違う」

「その逆……ポートマフィアだよ」

敦の代わりに琴華が答えた

「正解、“夜の管理者”たるポートマフィアの与り知らぬ暗殺は異能者所帯であるポートマフィアにしてみれば鼻先でナイフを振り回されるような屈辱行為だ、これでもしマフィア側に犠牲者でも出れば__」

「マフィアの威光も落ちる……という訳か、だが被害も出る前から動くか?」

「“常に先手が勝つ”……森さんの口癖だよ、あの人は絶対に動く、それにマフィアの網は深く広い、暗殺者が隠れ家にしそうな場所にも通じてる……今頃は隠れ家くらい突き止めている頃かもね」


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