第9章 奇跡✴︎寺本俊
看護師「こんにちは。お見舞いですか?」
俊「あ、こんにちは。そうです、お見舞いです」
俺は”お見舞い”に来た
俺の彼女。明結さんのお見舞い。。。
看護師「今日から中園さんのお部屋が変わることになったので案内しますね」
俊「そうなんですか?案内、よろしくお願いします」
看護師「どうぞ、こちらです」
部屋が変わったってことは状態が悪化したのか?
なんて、縁起でもないことを考えながら看護師さんに案内された部屋に入る
俊「明結さん、会いに来たよ。って、まだ寝てるの?」
”昏睡状態”
3日ほど前に医者に言われた言葉
はじめは何にも考えられなかった。いや、
何にも考えたくなかったのかもしれない
何度も医者に聞き返したのを覚えてる
やっと理解した頃には目からドバドバと涙が出てきた
俊「明結さんってやっぱりあったかいですね」
俺はそっと明結さんの頬に手を添えた
ただ、手を重ねているだけなのに抱きしめているような感覚になるのは明結さん不足だからかな?