第5章 澤村大地 剥き出しの嫉妬心
澤村side
「それで‥断りきれずに受けた‥と?」
部活終わり
いつものように花澄を家まで送った時に少し部屋に上がらせてもらった
腕組みをする俺の前には
ヒラヒラと短いプリーツのスカートにノースリーブ
応援に使うポンポンが置いてある
『そうなの!部長さん困ってたし‥私で良ければ頑張ろうと思って!!』
今週末の野球部の試合
なんでもチアリーダーの人数が足りないからって野球部主将に頼みこまれたらしいが‥普通人数足りないからって経験もないようなやつ誘わんだろ‥
「こんな短いスカート履くのか‥」
腕組みをしたままユニフォームを睨みつける
絶対可愛いに決まってるが
野球部の為に着るってのが許せん‥
つーか誰にも見せたくないよな‥
『難しい顔してどうしたの?』
心配そうに見上げてくるから優しく頭を撫でる
「俺の彼女、可愛すぎるから心配だなって思ってたのよ」
『チアリーダーのみんな可愛いもんね!私もね、みんな可愛いなーって見惚れちゃうの!一緒に踊れて嬉しいから頑張らなくっちゃ!』
俺に頭を撫でられて嬉しそうに目を細める花澄がかわいくて心臓がドキッと跳ねる
いやいや‥一番可愛いのはあなたですけどね?
相変わらず話はズレてるけど‥まぁそこも天然の花澄らしいな
「俺もスガと応援に行くからさ‥花澄も頑張んなさいよ?」
本当は他の男の前でこんな格好するなんて絶対やめてほしいけど
ワガママ言って困らせる様な事はしたくないからグッと我慢する
『うんっ!ありがとう大地!!』
花澄と付き合いだしたのはほんの数ヶ月前
俺は出会った頃から好きだったけど
なんせ、ど天然な上に超がつくほどの鈍感な花澄はどんなアピールをしても全く気付いてくれなかった
真剣に何度も気持ちを伝えて
やっっっと想いが通じあった時は泣くかと思うほど嬉しかったっけ
いや、嬉しすぎて俺はこっそり泣いた
そうして晴れて恋人同士になれたのはいいものの‥
相変わらず他の男からの告白は絶えない
彼氏が出来たら諦めてくれるかと思ったけどそんなに甘くないみたいだ