第24章 菅原孝支 初恋
菅原side
ずっと繋いでみたかった小さな手を勢いでパッと握ってみる
想像以上に柔らかくて小さな手がポカポカと体温をあげていく
ドキドキしすぎてきっと俺は今変な顔をしていると思う
恥ずかしくて
顔を見られないように小さな手を引きながら少し前を歩いていると急に前に進まなくなって立ち止まる
振り返ると真っ赤に染まった顔
もしかしたら体調が悪いんじゃないかと心配になって顔を覗き込むと小さな声で話し出した
『あのっ‥‥私の気持ち‥聞いて‥くれますか‥?』
繋いだ手にギュッと力が入るのが分かる
まるで今から告白でもされるんじゃないかと期待しそうな空気に俺の身体にも力が入ってしまう
「うん?聞くべ」
何の話か分からないから
あくまで平静を装って優しく笑いかけるけれど内心心臓はドッキドキのバックバクだった
『私‥バレー部のみんなの事が大好きです』
すーっと大きく息を吸って話し始める
『みんな‥おんなじだったはずなんですけど‥‥最近、菅原さんといる時だけ‥‥ドキドキするようになりました』
「っ?!」
期待をしないように抑え込んでいた感情がどくりと音を立てる
『ドキドキして‥胸がきゅっとして‥‥熱くなります‥これは‥菅原さんだけ‥です』
一生懸命伝えてくれる言葉が胸に染み渡っていく
花澄ちゃんの初恋‥ってことだよな?
恥ずかしそうに俯いていた顔がゆっくりと上がり
少し涙で潤んだ大きな目が俺をみる
あまりに突然の出来事
嬉しすぎて
おかしくなりそうで
息切れを起こしてしまいそうだ
「はーっ‥‥ちょ‥ちょっと待って‥‥夢‥じゃないよな?」
情けなくも膝から力が抜けてへなへなと座り込む
『大丈夫ですかっ?!大変‥顔も真っ赤だし‥お熱?!スガさんのお母さんに連絡して‥「待って‥!!大丈夫っ!大丈夫だから‥」
座り込んだ俺の前にしゃがんで心配そうに携帯を握る手を引き寄せる
「顔が赤いのは‥めちゃくちゃ嬉しかったから‥‥まさか‥俺の片想いだって‥思ってたから‥」
自分で言いながらもいまだに信じられない
あの花澄ちゃんが
俺のことを好きだなんて