第18章 二口賢治 素直になれない
心地よい温もりに包まれて眠っていたはずなのに
さっきまでとは比べ物にならない程激しく突き上げられて
目の前がちかちかとする
大きな二口くんの熱
息をつく間もなく攻められるから意識を保つのがやっとだった
「花澄も‥俺の事が好きなんだよなっ‥?」
『んっ‥はぁっ‥はぁっ‥』
答えようとしても口からは言葉が出てこなくて
必死に吐息だけを吐き出していく
代わりにこくこくと必死に頭を縦にふると少し満足そうに二口くんが微笑む
「じゃあ夢ん中まで俺の事みとけよ‥」
『んっ‥‥っぷはっ‥ぁ‥はぁ』
必死に呼吸を繰り返す私の唇をぐいっと塞いでキスをする
唇が離れた瞬間に酸素を取り込もうとするけど
その度にすぐに二口くんの舌が入ってきて
相変わらず酸素もうまく取り込めない私の
恥ずかしいとか苦しいとか
全ての思考を奪っていく
「好き‥花澄‥っ」
「好き‥だ‥っ」
今までの分を取り戻すように
何度も
何度も
好きを伝えてくれる二口くん
頭が真っ白になるほどの大きな快楽に身体を震わせるたびに少し嬉しそうに目を細めてキスをされると
また激しい腰の律動が繰り返される
終わりのない快楽に頭も身体も溶けてしまいそうだった
「もう何回イッたんだろうな‥」
間近に迫る二口くんの顔も随分余裕が無いのがわかる
口を開けば私に好きの言葉を呟いて
もう何度目かもわからないキスに身を捩る
そっけない態度をとられるのは辛かったけど
これはこれで心臓に悪い‥っ
甘すぎる言葉と
激しく与えられる刺激
身体も
心も
同時に攻められて私はまた意識を手放しそうになる
『賢治‥っ‥も、また‥わたしっ‥』
なんとか言葉を振り絞って見上げると大きな身体でぎゅっと包み込まれる
「俺も、もう‥っ」
ギュッと抱きしめられたまま
お腹の奥に熱が弾けるのを感じて
私も力尽きた
夢が現実かもわからないふわふわとしたまどろみのなか
二口くんが私を見て優しく微笑む
『わたしも‥すき‥だよ』
無意識に夢の中で呟くと
ふわりと頭を撫でられた気がした