第13章 バレンタイン番外編 稲荷崎 北信介
『はぁっ‥はぁ‥もう‥北さんがいいっ‥』
何度目かも分からない絶頂を迎えても止まらない指の動き
「せやな‥これくらいやったら大丈夫か‥?」
北さんの指が入った私のそこは
たくさんの愛液が溢れて
ぐちゅぐちゅといやらしい音が鳴る
『だ‥だいっ‥大丈夫っ‥早くっ‥』
上から覆い被さる北さんがかっこよくて
早く挿れてほしくて首の後ろに手を回して引き寄せる
「んっ‥花澄からキスしてくれんのは嬉しいな‥」
北さんの目がふっと細められて
そのままゆっくりと舌を絡め取られる
北さんのこんな姿
知っているのはきっと私だけ‥
真面目で
誠実で
結果より過程が大事って言って
思い出なんかいらんって言う北さんもかっこよくて大好きだけど
私の上で余裕なく見つめてくる
こんな北さんも堪らなく大好きだ‥
侑と治がみたらびっくりして腰を抜かすかもしれない
そんな姿を想像したらちょっとおかしくなって
ついふっと微笑んでしまう
「今‥他の男の事考えとったやろ?」
少しむくれたような北さんの顔がグイッと近付いてくる
『えっ?!な‥なんで‥』
「マネージャーしとる時の笑い方と一緒やったから‥今は俺の事だけ考えとってくれるか?」
子供みたいに拗ねる北さんが新鮮で可愛くてもう一度小さく吹き出してしまう
『ふふっ‥ごめんなさい‥』
「‥可愛いから一回だけは許したるけど‥次はないで?」
まだ少しむくれたままの北さんが
服を脱ぎ捨てて
上半身だけ裸になる
カチャカチャとベルトを外しながら急に思い立ったように立ち上がる
『北さん‥?』
「さっきのチョコうまかったから‥他の奴らは絶対できへん食べ方させてもらうわ」
テーブルの上に置いてあったチョコレートを枕元に置いて
また一粒私の口の中に放り込む
「じゃあ‥いただきます‥」
『んむっ‥んん‥っ』
さっきとは違う甘いホワイトチョコレートを2人の舌で溶かし合う
「‥花澄のこんな姿‥絶対誰にも見せたくないけど‥どや、ええやろってちょっとみんなに自慢したくなるな‥」