第11章 菅原孝支 抗えない熱
『んっ‥あさ‥?』
カーテンから漏れる朝日が顔を照らして
眩しさに少し目を細める
あったかくて気持ちのいい朝‥
『‥えっ?!あれっ‥?!』
もぞもぞと身体を動かすとギュッと抱きしめられる
目の前には何も身につけていない素肌
その腕に抱かれる私もまた何も身につけていなかった
『あれ‥わたし昨日お酒飲んじゃって‥それで‥』
まだちゃんと働かない頭でぼんやりと思い出す昨日の夜の事
私のことを好きだと言ってくれた菅原先生との甘い記憶
『えっ‥夢かなっ‥?!』
ドキドキとうるさい心臓を抑えながら
おそるおそる見上げると菅原先生の顔が間近にあってまた心臓が跳ねる
『夢っ‥じゃないっ‥?』
「夢で終わらせるつもりはないよ?」
『ひゃあっ?!』
寝ていると思っていた菅原先生がゆっくりと目を開けて
いつもの爽やかな笑顔で私を見つめる
「おはよう‥花澄ちゃん?」
『〜っ!』
甘い声で下の名前を呼ばれて
一瞬で昨夜の熱が蘇る
「顔真っ赤だけど‥まだお酒残ってる?」
さらに距離を詰める菅原先生の笑顔がかっこよくてさらに体温が上がる
それよりお酒‥
以前お友達とお酒を飲んだ時に
私がいっぱいキスしちゃうし
お洋服も脱いじゃうし大変だったって
絶対男の人の前で飲んだらダメだよってあんなに言われたのに‥
私‥
よりによって菅原先生の前で‥
恥ずかしさと
嫌われたらどうしようって怖くなって
泣き出しそうな顔を両手で隠す
「なんで隠すの‥?可愛い顔見せて?」
寝起きでいつもよりも少し掠れた声がまたかっこよくてドキッとする
『お酒飲んじゃって‥菅原先生に無理やりキス‥しちゃってごめんなさい‥恥ずかしい姿までみせて‥』
言いながらじわりと涙が溜まってくる
「へっ?!なんで泣くのっ‥?俺は舞い上がる程嬉しかったよ‥?白鷺先生に好きって言ってもらえて‥俺の片想いだって思ってたからさ」
優しく抱きしめられたまま
よしよしと私の頭を撫でる菅原先生