第1章 月島蛍 ずっと欲しかったもの
月島side
「花澄さんって‥色んな人から告白されてましたよね?なんで僕のことっ‥選んでくれたんですか‥?僕のどこを好きになったの‥?」
グッと先輩の奥まで腰を押し付けて止める
『やぁっっ‥!!』
ビクビクと身体が揺れる
きっともう何回も軽くイッてしまっているみたいだった
「止まってますから‥教えてくれますか‥?」
顔を近づけて先輩の顔をじっとみつめると
うるうるとした瞳でこちらを見つめてくる
その間も僕自身を締め付けてくるから気が抜けない
『んっ‥ふぅ‥ぇっとね‥最初は‥プレーかな‥』
「プレー‥ですか?」
『うんっ‥冷静に‥淡々とこなしているようで‥色々考えてるんだなって‥バレーしてる蛍君がかっこよくって‥』
「それで‥?」
『ぅんっ‥それで‥試合みてたら悔しそうな顔とかっ‥バレーに段々とハマっていく蛍君から目が離せなくなって‥私の事好きって何回も伝えてくれてっ‥』
「‥」
『周りの事ちゃんとみてて‥不器用だけど優しくって‥意外と甘いモノ好きなところとか‥私の前だけで見せてくれる可愛い笑顔とか‥気が付いたら蛍君の隣にいると心臓がドキドキしてっ‥』
堪らなくなって先輩をまたギュッと強く抱き締める
いつもよく不安になる事があった
先輩は誰にでもどこまでも優しいから
本当は僕があまりにしつこいから付き合ってくれただけじゃないかって
好きなのは僕だけで、先輩は無理してるんじゃないかって
他の人に告白されている姿を見る度に
他の人のところへ行っちゃうんじゃないかって‥
柄にもなく不安で不安で堪らなかったから
一生懸命に伝えてくれる先輩の気持ちが
涙が溢れそうになるくらい嬉しかった
『っ‥蛍‥くん?泣いてるっ‥?』
ギュッと抱きしめた先輩が心配そうに僕の頭を優しく撫でてくれる
「泣いてませんっ‥そんな風に思ってくれてたなんて‥僕だけが先輩の事好きなんじゃないかって‥不安だったから‥」
優しく包み込んでくれる先輩があったかくて
珍しく弱音を吐いてしまう
するとぎゅーっと先輩が抱きしめ返してくる
『不安にさせてごめんねっ‥私っ‥蛍くんのことっ‥大好きっ‥ずっと一緒にいたいって思ってるっ‥』
「っ?!またっ‥あなたって人は‥そんな事言うと‥本当に離してあげませんよ?」