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ハイキュー 裏短編集 【R18】

第1章 月島蛍 ずっと欲しかったもの


月島side


ずっと好きだった


誰もが目を奪われるような容姿はもちろんだけど
一緒にいればいる程にその優しさに、ひたむきさに、一生懸命さに
心奪われていった


初めて出来た好きな人
その人は一つ年上のバレー部のマネージャーだった



バレー部の部員は言うまでもなく殆どの奴らが狙ってるのはすぐに分かった

バレー部どころか学年関係なく、むしろ他校の生徒まで先輩を狙っている人達がいる程だった


そんなに誰からも好かれているのに当の本人は全く気付いていないし
雲の上の存在で僕には無理だと早々に諦めた


ただ同じ空間にいて
顔を見て、話ができたらいい


最初はそう思っていた



思おうとしていたのに‥
先輩はこんな僕にも何度も何度も話しかけてくれて、少しの体調の変化にも気付いてくれる


僕のプレーをみて目を輝かせて
花のように笑って 悔しい時は大きな目からポロポロと涙を流して悔しがってくれる

表情がころころと変わって見ていて飽きないしずっと見ていたいと思った



いつしか先輩への気持ちは隠しきれないほど大きくなって


何度も何度もアピールして不発に終わって

それでも諦めきれなくって

そんな日が続いたある日
天然で鈍感すぎる先輩をやっと振り向かす事ができた



正直いまだに先輩が僕の彼女になったって自分でも信じられない



『‥くん?』

僕のどこを好きになってくれたんだろう‥?
今までも嫌と言うほどモテただろうに僕が初めての彼氏だって言うから‥


『月島くんっ!どうしたのっ?』

ハッと我に帰ると制服に着替えた先輩が僕を見上げている


「っ!すいません。考え事してました。帰りましょうか」

部活が終わると一緒に帰る為に校門の前で待ち合わせするのが日課になっていた


『うんっ!帰ろっか!難しい顔してたからどうしたのかな〜って思ったよ!』


ニコッと笑う顔が可愛すぎて顔が赤くなるのがわかる

こんな事でいちいち顔を赤くする自分もキャラじゃなさすぎて笑える


でも仕方がない
だって先輩が可愛すぎるから


サッと手を差し出すと先輩も顔を赤くして控えめにきゅっと握ってくる

付き合って1ヶ月は経つけれど最近やっと手を繋いだところだ

その度に顔を真っ赤にする先輩が可愛くて仕方がないんだけど




でも僕は‥先輩ともっとその先がしたい‥
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