第4章 占いは信じなくても当たる時は当たる・後沖田視点【星の砂⭐︎】
しばらくすると物凄い勢いで部屋の襖が開かれ、隊服に着替えた大石が俺を見下ろしながら言った
『沖田隊長…!』
「…何でィ」
『…仕事…終わったら行ってあげてもいいですよ』
「は?…」
それだけ言って小走りで部屋を後にする大石
彼女の言った意味がわからず頭にハテナを浮かべていると、突然懐の携帯が音を鳴らした
げ、頼んでもいない土方さんからのモーニングコールでィ
「…無視しよ」
そのまま携帯を閉じようとした時、ふと送信済みの1件のメールに目がいった
「…あ」
<餡蜜、おごってやらァ>
訂正メール送んの忘れてた…。
いつの間にかついていたテレビが今日の運勢を占っていく
[それでは今朝のブラック星座占いです!…]
「…。」
占いの結果に思わず笑みを浮かべ、俺は再度大石の携帯にメールを打った
"送信"のボタンを押し、隊服に着替えそのまま部屋を後にする
<仕事終わり、屯所前で待つ>
「仕方ねェ…」
大石は占いのせいで散々な目に遭ったみてェだが、俺は1つ今朝の占いに掛けてみようと思う
[残念、今日1番ツイていないのは蟹座の方です!蟹座で特に黒い制服を着た栗色髪で今からお仕事に行くそこのあなた、今日1日は仕事ばかりの大変な1日になるでしょう。…]
最悪な日だと言うのならそれこそ行動を何か1つ起こしてみるべきだ
そうすればひょっとするとその1日は
[ラッキーアイテムは同じ職場で働く女性!あなたと歳が近くて甘い物が大好きな女の子です!]
たまにはこんな日も悪くねェ、そう思える日になるかもしれない。