第4章 占いは信じなくても当たる時は当たる・後沖田視点【星の砂⭐︎】
「違うぞ結衣ちゃん!志村けんのアイーンはこうやって…」
『アイーン!』
「ちょっと局長、結衣ちゃんに変なこと教えないで下さいよ!」
大石に顔芸を教え込む近藤さんを山崎が止めに入った
「いや、でも何か面白いことしてって言うから…」
「いいですか局長、考えてもみて下さい…今の結衣ちゃんは推定でも11歳!本来18歳の彼女がああいう風に育ったのは少なからずお嬢様育ちの影響も受けているはずです…」
「はっ!と、ということはこのまま結衣ちゃんが成長したら…」
『"あん?ジロジロ見てんじゃねーぞクソが!!"』
((俺達の育て方次第で結衣ちゃんが不良少女に!!))
「いやそもそも何で育てていく前提なんだよ」
近藤さんと山崎の想像に土方さんがツッコんだ
「だがトシ、このまま原因がわからねェんじゃ…もう俺達で育てていくしかないだろう」
「だから何でそうなんだ…主犯格の男の取り調べがまだ済んでねェだろ」
「あぁ、例の薬物を所持していたっていう男のことか?…」
近藤さんの言葉に頷き、土方さんは続けて言った
「現段階ではこっちには何の情報もねェ、薬に関して奴の口から直接聞き出すしか今のところ方法はねェだろ」
「土方さん…その取り調べ俺も付き合いまさァ」
そう口を開いたと同時に先程まで黙っていた大石が突然俺の隊服の袖を引っ張り言った
『お兄ちゃん、お腹空いた』
「は?」
「そういえば結衣ちゃんはまだ夕飯食ってなかったな。総悟、お前も食ってねェだろ?今から一緒に食堂で食べて来い」
近藤さんの言葉に眉間に皺を寄せると、土方さんが何かを察したように俺の肩に手を置いた
「安心しろ総悟、奴から情報が手に入り次第、お前にもすぐに知らせてやる」
「…。」