第4章 占いは信じなくても当たる時は当たる・後沖田視点【星の砂⭐︎】
その後、気絶する男を車に乗せ俺達は屯所までの道を走った
「まぁ情報によると、この男の容姿や特徴などはほぼ犯人と一致してると言ってもいいですから…恐らく間違いないですね」
「じゃあ事件解決ってことで、俺は帰ったらもう一眠りするとすらァ」
「何言ってるんですか、帰ったら2人でこの男の事情聴取ですよ!」
山崎の言葉に俺は眉間に皺を寄せた
「んなもんテメー1人で出来んだろィ」
「無理です、怖いですもん」
「手足拘束されてる奴のどこが怖いんでィ、テキトー言ってんな」
「沖田隊長こそテキトーなこと言わないでください。結衣ちゃんにはいつもついてあげてるじゃないですか」
…なんで大石が出てくるんでィ。
「チッ」
「舌打ち!?」
「アイツは事情聴取には向いてねェよ、口割らせるどころか犯人に同情するような奴だからな」
「あはは…まぁそれが結衣ちゃんらしいですけどね」
そう言って少し眉を下げ笑う山崎に少しイラッとした俺は車の外に見える団子屋を咄嗟に指差した
「オイ山崎、ちょっと車停めてあそこの団子買ってこい」
「え、まだ仕事中なんですけど…」
「うるせェな、事情聴取付き合ってやるっつってんだからさっさと買って来やがれ」
その後、何だかんだ文句を言いながら山崎は渋々買ってきた団子を俺に手渡した
「タバスコ入りにしてもらったろうな」
「してませんよ、あとから自分で入れて下さい」
"使えねーな"と再び舌打ちをする俺に山崎が呆れたように言った
「もぅ…結衣ちゃんが今朝早くからいないからって俺に八つ当たりしないでくださいよ」
「はぁ?なんで俺がそんなことでイライラしなきゃならねーんでィ。てめぇと一緒にすんな」
俺の言葉に山崎は顔を赤らめながら焦ったように言った
「ち、違いますよ!俺は別にそういうんじゃ…てか全然思ってないですからね!!」
「…。」
そういや昨日アイツ…明日は土方さんと見回りだっつってたな…。
俺は今日この後仕事は入ってねェけど…あいつはどうだっけ?
ふと、ある事を思い立った俺は携帯を開き大石にメールを打った
「?何してるんですか、沖田隊長」
そう言って急に背後から携帯を覗き込んできた山崎に驚き、咄嗟に野郎の両目を勢いよく指で突いた
「ぎゃぁああっ!目がぁああ!!」