第7章 踏み出す勇気
[沖田side]
「お前さ…」
『ん?』
「さっきの…もしあん時、俺が来なかったらどうするつもりだったんだよ」
『…断るけど?』
「だから、口で退いてくれねー奴等だったらって場合でィ」
『……。』
吉野は少し考えると、いつもの得意気な顔を俺に向けた
『だとしても絶対行かないよ。私、好きな人しか目に入らないもん!』
「ッ!」
ほんとにこいつは…いつだって
いつだって、真っ直ぐで。
「ぶぇっくしゅっ!」
『わっ大丈夫!?シャツ一枚だから…風邪引くよ!』
俺に追いつこうとして、空回りして…
『ほら!私の住むマンションあれだからもう大丈夫だよ!!…あ、ちょっと待ってて!!』
だけど、こいつは不意に大人になりやがるから
『はい、寒いから良かったらこれ着て!わざわざ送ってくれてありがとうね!』
いつも最後に拍子抜けするのは俺なんだ。
『じゃあね!』
「待てよ、」
手を振って家に入ろうとする吉野の腕を掴み、自分の方へ引き寄せた
今日は…俺がお前を驚かせる番でィ。
『え…おきた…?』
「吉野…俺…実は…」
実は……