第7章 踏み出す勇気
『わぁすごい!!』
ミツバさんの料理…なんていうか
赤い!!
な、なに入れてるのかな…匂いはすごく良いけど…。
「いただきやす」
「召し上がれ」
沖田はそう言って赤い料理を口にした
「うめーっ!やっぱ姉ちゃんの作る飯は最高です!」
「そう?ありがとう」
満面の笑顔で言う沖田は私が普段見る顔とは全く別人のようだった
まぁこんな沖田もレアってことで私も食べよう。
『ッ!』
口に入れた赤いものは想像以上の味がした
「どうかしら桜ちゃん。タバスコを入れてみたのよ」
『お…美味しいです!と、とっても美味しいですよ!!』
これタバスコだったのかーっ!!
「本当?嬉しいわ」
正直物凄く辛いけど、ミツバさんの笑顔を見てたら気にならなくなった
「おい、もっと味わって食べやがれ」
『あ、味わってるよ!』
そんな沖田は既に完食していた
沖田は辛いものが好きなんだな…メモしておこう。
『あ、そういえばミツバさん、今日初めて会ったのにどうして私の名前知ってたんですか?』
私はミツバさんと全然面識なかったのに。
「それはね、そーちゃんから聞いたのよ」
『へ?』
「なっ!」
ミツバさんからの予想外の言葉に驚いてしまった
「姉上っ!何言ってんでィ!俺はそんなこと言ってねぇ!!」
顔を真っ赤にして言う沖田
「あら、でも言ってたじゃない。"クラスに吉野桜っていう鬱陶しい奴がいる"って」
う、鬱陶しい…?
「ッ!ふ、風呂入ってくる!」
そう言って沖田は物凄い勢いで去って行った
「あらあら逃げちゃったわね…あのね桜ちゃ…あら?」