第7章 踏み出す勇気
[沖田side]
『Z組のみんなに出会えた…沖田にも会えたんだから』
こいつがそう言ったとき、俺は彼女が生まれて来て良かったと思った…。
そして同時に護ってやりたいと思ってしまった。
こいつは一見明るく見えて心ん中に色んなもん抱えて生きて来たんだな…。
『ねぇ沖田』
「何っ」
『トイレどこ?』
「…あっち」
『センキュー!』
「……」
まあ…大丈夫か。
『ねぇ沖田ー』
しばらくするとあいつの俺を呼ぶ声が聞こえた
…なんだよ。
『この部屋入ってもいい?』
は?この部屋って…まさか!!
俺は急いで吉野が言う"この部屋"の前に立った
オイオイ…入っていいわけねーだろィ
ここ俺の部屋なんですけど!
「ダメでィ」
『えーなんで…エロ本あるの?』
「ねぇーよ!殺すぞ」
『じゃあ何で?』
何でって…
「あー…今部屋汚ねェから…」
『大丈夫だよ!そうゆうの全部含めて私は沖田が好きなんだから』
もうイヤこいつ…。
ヘラっと笑うこいつに自然と顔が熱くなるのを感じた
『おじゃましまーす!』
「あっ!ちょ、オイ…」
俺の言うことを無視して入る吉野に続いて俺も部屋に入った
『なんだー全然綺麗じゃん!所々に服散らかってるだけで…』
部屋を見渡しながら彼女は言った
オイオイ…ベッドに座んな。
時々、こいつが本当に俺のこと好きなのか一瞬疑うときがある
『あれ、この写真…』
「っ!何勝手に見てんでィ」
俺は吉野が持っていた写真を急いで取り上げた
『ねぇ、その写真に映ってる3人って…ミツバさんと土方と沖田だよね。中学生?』
「まぁ…」
溜息をつきながら頷くと吉野は目を輝かせた
『もう一回見せて!』
「はぁ?嫌でィ」
『お願いッ』
グイグイと近づいてくる彼女に押され体がフラついた
「ちょ、やめろィ!…オイうわっ!!」
『うおっ!』
ドサッと後ろにあったベッドに俺が吉野を押し倒す形で倒れてしまった
吉野は顔を真っ赤にして目を見開いている
この状態がもどかしくなった俺はそのままゆっくり顔を近づける
そして…