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空回り【銀魂】

第6章 感情コントロール


[沖田side]

放課後、俺は直ぐ様教室を出た

吉野を家に入れるなんて冗談じゃねーや。

いくら姉上の頼みでも、俺が無理だ。

自転車に乗ってさっさと帰ろうとした時だった

『沖田ァ!!』

チッ、相変わらずしつこい奴でィ…。

俺はあからさまに顔をしかめて振り向いた

「何でィ、ついてくんな」

『何って…今日私ミツバさんに家に招待されて…』

「誰がテメェなんか家に入れるか」

『でも…』

「じゃーな」

そう言って足を進める

ふと俺の頬に冷たい雫が落ちた

『雨…』

後ろで空を見上げた吉野が小さく呟いた

そんな彼女の横顔を見て俺の頭の中に以前起きた事故の日の記憶がよみがえった

そうだ…あの時も雨が降ってた…

あの時も…俺はこいつを突き放した。

でも今は…。

俺は自転車から降り、ゆっくり吉野のもとに歩み寄ると彼女の上で傘を広げた

『え…』

「風邪引いて俺のせいにされても困るからな」

そう言う俺を見て一瞬目を見開いた彼女だったが、忽ち笑顔になって『ありがとう』と言った

雨は一向に止む気配がない…寧ろどんどん酷くなってきやがる

そして俺の隣を歩く吉野はさっきからずっとニヤニヤしてご機嫌だ

気持ちわりー…。

右側が熱くて仕方ねェ。

「ほんと、お前ってダメだな」

『ハイハイ』

「普通傘くらい持っとけバカ」

『すみません』

ほんとありえねーわ…

こいつと1つの傘差して並んで歩くとか…


『あっ!』

「何でィ…?」

突然声をあげる吉野の方を向く

『何か相合い傘してるみたいだね!』

あぁ…やべぇ。

俺は自分でもわかるくらい顔が真っ赤になるのを感じた

やっぱり俺…

『沖田、濡れるよ?』

「うるせェ、もう喋んなお前。…300円あげるから」


確実にこいつに惚れてらァ。
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