第4章 嵐再び
あー…なんか調子狂うなぁ。
最近の沖田はほんとよくわからない…
まぁ、それは今に始まったことじゃないと思うけど。
私も最近おかしいし、何だか心にぽっかり穴が開いたみたいだ。
『…海、綺麗だなぁ』
同じ海でも夕暮れの海はまた少し違ってキラキラして見える
なんか…
『こんな広い海眺めてたらさっきまで悩んでたことなんかどうでもよくなっちゃったな…』
私って単純だな。
「あのぉ、桜ちゃん!」
『美々ちゃん!』
そうだ!さっきの沖田との会話美々ちゃんにも聞かれてたんだった…。
『えっと…う、海綺麗だね!』
「あ…うん。そうだね」
って何言ってんだ私!!
全然誤魔化せてないよ!!
ていうかさっきから美々ちゃんの私を見る目が怖いんだけど!
私何か悪いことしたのかなぁ…。
『あの…私に何か用事?』
私がそう聞くと難しい顔で私を見ていた美々ちゃんはますます眉間に皺を寄せた
「桜ちゃん…桜ちゃんって沖田くんのことどう思っ…」
「よぉ~君たち可愛いね~!」
『!?』
美々ちゃんが何かいいかけたとき、向こうから数人の男の人たちがやって来た
「君たちいくつなのー?」
美々ちゃんが答えると男の人たちは彼女の腕を掴んだ
「ねぇねぇ、俺たちと向こうで遊ぼうよ」
「きゃッ!嫌、はなしてっ!!」
「いいじゃん!」
抵抗する美々ちゃんを強引に連れて行こうとする男たち
このままじゃ美々ちゃんが!!
そう思った私は気づけば美々ちゃんを掴んでいた男の腕を無理矢理引き剥がしていた
『あ、あの!!嫌がってるんだから離してください!』
「あ?」
「桜ちゃん!」
美々ちゃんから離れた男は今度は私の腕を掴んだ
「お前彼女の友達か?ふーん…結構お前も良い面してんじゃねーか」
バチンッ
『触んな』
急に顔を近づけてきた男の頬をつい反射的に叩いてしまった
「な…てめっ!クソ女!」
ついにブチ切れた男は強く私の腕を引っ張ってそのまま地面に叩きつけた
『い"ッ!!』
その衝撃で舌を噛んだ私は口の中に血の味が広がるのを感じた
そして何回か地面に叩きつけられ意識が朦朧とする私の腕を縛り、男は崖の上まで私を連れて行った
たすけて…誰か…
沖田……。