第21章 卒業【最終回】
[山崎side]
「ぇえ!?どうして歩さんがここに!?」
「いやぁ~、桜がどうしてもって聞かなくてさぁ。朝の4時に起こされて車運転させられたってわけですよ」
そう言って欠伸をしながら笑う歩さん
銀八を見るとどうやら全部知っていたようでとても落ち着いていた
ほんとヤな大人だなぁ。
「お、噂をすれば桜だ」
歩さんが指差す先には全力でグラウンドを走る桜ちゃんの姿があってその後ろには沖田さんがいた
あーぁ。
仲良く追いかけっこなんてしちゃってさ~
ってあれ?追いかけっこっていうか…逃げてない?
「いやぁ青春だねぇジミーくん」
「どう見ても桜ちゃんが一方的に追いかけ回されてるんですけど!」
『ぎゃああああ!!!助けて歩兄ィィイ!!犯されるーっ』
「何が犯されるだ!彼氏に向かってそらァねーだろィ!」
サッと歩さんの後ろに隠れる桜ちゃん
「こらこら沖田くん。ダメだよ桜は初めてなんだから優しくしてあげないと。ね?桜…ぐはっ!!」
『死ねバカ兄貴!!』
そう言って歩さんを殴る桜ちゃんを唖然として見ているとZ組の皆が集まってきた
「桜ーっ!会いたかったアルヨ!!」
『神楽ちゃん!私もだよ』
「桜ちゃん!!帰ってたのね!おかえりなさい」
『妙ちゃん!』
抱き合う3人を微笑ましく見つめる近藤さんと土方さん。
「桜、お前まだ手続き終わってないよな?」
『あ、そっか。もう帰らなくちゃ…』
「えーせっかく来たのにもう帰るアルか?」
『うん…手ぶらで来ちゃってるからね…とりあえず今日は沖田や皆に会いたくて来ただけだから』
そう言って笑う桜ちゃんを見ながら隣で銀八はタバコを噴かす
「やっぱ…青春だなぁ」
「…そうですね」
あ。そうだ
「そういえば先生、片想いの件どうなりました?」
「…は?」