第18章 クリスマスデート
「で、どこ行きたいんでィ」
『え、あ、ちょっと待って!!』
そう言ってポケットから神楽ちゃんに渡された紙を確認する
えっとはじめは……そうだ!
『どこかでお茶しない?』
「どこかってどこでィ」
出来るだけお洒落な所がいいよね…!
『あ、あそこ!!』
指差した雰囲気の落ち着いた喫茶店まで小走りで向かう
『わぁ、このケーキとかおいしそ…って』
高ーっ!!ケーキ1つで600円!?
やばい、私今財布にいくら入ってるっけ?
「オイ、金ねー奴が見栄張ってんじゃねーや。 〇クドナルド今ポテト100円らしいぜィ」
『…そ、そうですか』
結局私たちはそのお洒落な喫茶店の隣にあった〇クドナルドに入った
何か…違う。
「ん、ポテト買ってきたぜィ」
『え、1つ?』
「?まるまる1つ食べれんのかィ?…俺ァてっきり分けんのかと…」
お、沖田とはんぶんこだと!?
『いやううん!1つでいいよありがとう!いただきます』
沖田が買ってくれたポテトは普通に美味しかった
「…」
『…な、何?』
「いや、こっちもなかなか旨いだろィ」
そう言った沖田があまりに大人っぽくて、優しい顔をしていたから、
『…うん』
さっきまでの自分が酷く小さく感じた
お店から出てしばらくブラブラとクリスマスのイベントで賑わう通りを歩く
『あ、このマフラー可愛い!みてみて沖田!…ってあれ?』
いつの間にか隣に沖田がいなくなっていて辺りを見回すとペットショップで犬とじゃれあっている彼を見つけた
「吉野、見ろィこのブルドッグ…お前にそっくりだぜィ」
『どの辺が!?』
「バカッ舐めんじゃねーや!くすぐってぇ」
ま、沖田が楽しそうなら私はそれで十分なんだけど…。
「っ可愛い奴…」
ドキッ
ああああああ!!!
バカなの私!?
沖田は私じゃなくてあのブルドッグに言ったんだよ!!
似てるってだけでそんなんじゃ…って全然似てないけど!!
『お、沖田!私…う、海の見えるとこ行きたい』
沖田の服の裾を掴んでそう言うと沖田はそっと犬を放した
何か…沖田の気持ちもだんだんわからなくなってきた
この前まで冷たかったのに今はそれが嘘みたいで…
でもそれ以上にもっとわからないのが
『手…繋いでもいい?』
自分自身の行動だ