第18章 クリスマスデート
『え…』
「…」
今、目の前の彼は…何て言った?
「長い間一人にして悪かった。これからは俺と…母さんと父さんと、みんなで暮らそう」
ちょっと待って。
どうして急に…そんな、
「ほんとに…急だよな。すぐに受け入れろなんて言わないよ…ただ、お前はもう一人じゃないってことを忘れないでほしい…返事はすぐに出さなくていいから」
そう言って歩兄はまた歩き始めた
『歩兄…私っ!』
「わかってるよ」
『え?…』
「…だから、ゆっくり考えろ」
私の気持ちを見透かしたように歩兄は優しく笑った
11月の終わりに吹く風は少し冷たかった