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空回り【銀魂】

第16章 二人だけの花火


夏の夜の浜辺で二人きりの花火!

なにこれ夢!?


思い切って言ってみてよかった!
バンザイお祭り!


目の前で花火をまじまじと見つめる沖田に目を向ける


さっきは私も少し悪かったかな…。


理由が何にせよ沖田はちゃんと謝ってくれてたのに、私は逃げようとしてた


片意地張って沖田に八つ当たりみたいなことしてしまった


『…ごめんね、沖田』

「…は?」

私の言葉に沖田は顔を上げた

私は自分の手元の花火がパチパチと燃える様子を見ながら言った


『さっきの…あれ、全部私の為を思ってついた嘘だったんでしょ?』

「…」

『ううん、さっきだけじゃない体育祭の日も…負けたのは私のせいなのに美々ちゃんとキスすることになって…私が傷つかないように気遣ってくれて…』

沖田は黙って俯いた


『…ずるいなぁ沖田!わかりにくいよ…そんなことされたら…





嫌いに…なれないじゃんか』


視界が歪んできてあまりうまく喋れない


「じゃあ……そのままでいろよ」


『…え?』





「俺のこと、好きでいろ」



それは、どういう意味?


その意味を知るのが怖くて聞き出すことが出来なかった


ただ、そう言った沖田の目は凄く真剣で、目を逸らすことが出来なかった


『ッうん…』


「…なに泣いてやがんでィ」


『ッごめっ… そ、うだよね。これ負けたら焼きそば…食べられないもんね』

「焼きそばの話かィ」


そう呆れたように言い、じっと花火を見つめる沖田


『沖田…』

「あ?なんでィ」

『…




好きだよ』




次の瞬間、沖田の花火の火が地面に落ちた


「あ!沖田の落ちた!やったぁ私の勝ち…んぅッ」



腕を掴まれ引き寄せられると目の前には沖田の顔があって唇が重ねられていた



3秒くらいしてからチュッというリップ音とともにそれが離され、沖田が掴んでいた腕を離す


「…わりィ」



俯きながらそれだけ言うと沖田は走ってその場を後にした





え…なに…今の





先程の感触が残る自分の唇をそっと指でなぞった





私…今







沖田に



キスされた…?
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