第14章 片想いに終止符を
翌日
結局昨日はあれから沖田とは一言も喋っていない
心做しか避けられているような気もする
『やっぱり昨日のリレーが駄目だったのかなぁ…』
溜息をついて席に座ると突然後頭部に激痛が走った
『ッ~!』
ちょっと誰よ!
こんな分厚い辞書投げた奴!
後ろを向くと"こくご"と書かれた本を読んでいる高杉がいた
『ちょっと高杉!人の頭に辞書ぶつけたのあんたでしょ!』
「…何でも人のせいにすんなよ…つーかそんなのも避けられねェのかノロマ」
『いやもう最後の一言で犯人あんたって確信したから!』
あ、たんこぶ出来たかも。
涙目になりながら頭を擦っていると高杉が私の席の前に移動してきた
「んで、また沖田かよ」
『…そうだけど、今回は見に覚えがない』
「そうかー?昨日体育祭で何かあったんじゃねーの?例えば吉野がリレーのアンカーに選ばれて銀八が優勝するために1位に沖田のキスプレゼントとか言い出してお前が最初はリードしてたのにも関わらず最後の最後で転けて最下位になった、とか」
例えが具体的すぎる!!
ていうか高杉昨日体育祭来てなかったよね?
『…誰情報?』
「…」
無言で高杉が指差す方を見るといつも高杉と一緒にいるお馴染みのメンバーがいた
なるほど…後でしばく!
「まぁ、沖田にも少しは同情するぜ」
『え?』
「このままだとお前…あの女に沖田取られるぜ?」
そう言って高杉は美々ちゃんに目を向ける
『…知ってるなら助けてよ』
「俺ァ他人の恋愛事に首突っ込むのはごめんだ…後がめんどくせェからな」
そう言う高杉を横目に沖田を見ると土方たちと何やら話している様子でこっちを向く気配はない
『これじゃ花火大会誘うどころの話じゃないよ…』
「諦めろ」
冷たくそう言い放つ高杉に溜息をつくと、しばらくして彼は私の腕を掴み耳元に顔を寄せ言った
「なんならその花火大会、俺が一緒に行ってやってもいいぜ?」