第11章 ジェラシーとキス
あれから2時間が経った
結局あの後私は剣道場には戻らなかった
沖田の一言で私は石田くんとデートするハメになってしまい現在その彼を待っている状況である
- どうでもいいんで -
『腹立つーっ!!』
「桜さん、さっきから何ブツブツ言ってんですか」
そう言って私の顔を覗きこんでくる石田くん
『あれ、いつからいたの?』
「さっきからずっといましたけど」
ちゃっかり私服でキメてる彼は他の人からみたら格好いいって思うんだろうけど
「桜さん私服可愛いですね」
こんなことさらりという奴に私はときめきません!
『あーありがとう。石田くんも似合ってるよ。けど、そろそろ帰らない?』
「え、まだ5時っすよ!あ、観覧車乗りませんか?」
『何であんたと…沖田と乗るって私の人生計画にあるんだから』
「綺麗っすよ!夜の遊園地は」
『だって沖田に見られたくないし…』
石田くんは少し顔を伏せ言った
「そんなに沖田先輩が好きなんですか…」
『え?』
「あんな奴のどこがいいんですか!今日だって桜さんのこと何とも思ってないような言い方して…何で嫌いにならないんですか」
…何で沖田が好きか。
『なんでかな。わかんないや』
「は?」
『でもね、好きなんだよね』
切っ掛けなんて最初だけ
好きって気づいたらもうどんな彼だって好きになってしまった
恋は盲目ってやつかな。
『なんかね、沖田じゃなきゃ駄目ってなっちゃったんだよね。今はまだ通じ合っていなくてもいつかきっとって…信じてる』
揺いだりはしない
『沖田が振り向いてくれるまで私は何年だって待つよ』
例え彼が他の人を好きになっても
私は沖田が好きなんだ。