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空回り【銀魂】

第10章 告白


月曜日

『お、おはよう』

「あら桜ちゃん、おはよう」

朝、目を覚ますと8時15分。
遅刻ギリギリだったけど何とか学校に間に合った

「おい桜、目の下すごいクマ出来てるアルヨ」

『ん…ちょっと寝不足で』

席に座ると妙ちゃんと神楽ちゃんがニヤニヤしながらこっちを見てきた

『え…何?』

「もー、隠しても無駄よ」

「そうアル!この間あいつと二人っきりでいたんだロ?」

「何があったか聞かせて!」

目をキラキラさせて言う妙ちゃん

『あ…この間、うん。数学ひたすら解いたよ。ハハ、数学って楽しいよね』

「桜ちゃん?…」

あれから私は沖田に数学を散々教え込まれて公式を徹底的に頭に叩き込んだ

そして帰り際に沖田が言った言葉

"90点以上取らなかったらぶっ殺す"

『いやぁああああ!』

「桜!どうしたアルカ!?」

ど、どうしよう!!90点以上とか今まで一度も取ったことないんだけど!ていうか取れたら奇跡なんだけど!

「…桜ちゃん、どうしちゃったのかしら」

「よっぽど良いことあったアルな」

いや良いことどころか命が危ないんですけど!

「よぉ、吉野。昨日あれからちゃんと勉強できたか?」

土方!
もー、あんたら帰ったおかげで一生分の勉強したわ!!

『土方こそ、どうなの?』

「あー、俺は近藤さんの方を教えてたからな」

「トシのおかげで難しかった問題も解けるようになったよ」

近藤君はそう言って土方の頭を撫でた

『えー、私も土方に教えてもらえばよかった…沖田なんて鬼畜で』

「誰が鬼畜って?」

ゆっくり振り返ると黒い笑みを浮かべた沖田が立っていた

『あ、いや…その!』

「今日のテスト楽しみだな~」

『!?』

沖田はニヤッと笑って私の方を見る

そのまま自分の席へ戻っていくかと思いきや私の腕を引き寄せ耳元で呟いた

「テスト頑張れよ」

『えっ…』

「ま、ジュースくらいなら奢ってやらァ」

そう言って自分の席に戻っていく沖田

私はただ、ぽかんっと口を開けて固まっていた

「おい、大丈夫か吉野」

『土方…』

「?」

『私、今日のテスト絶対90点取る!!』

「…はぁ」

いける!
沖田から教え込まれた成果を今発揮する時だ!

テスト開始のチャイムが鳴った
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