第9章 勉強会
[沖田side]
「はぁ?勉強を教えてほしい?」
土方さんは少し眉間に皺を寄せて言った
「吉野が言ったのか?」
「ええ。あいつ昨日一日休んで一気に内容わかんなくなったみてェなんでさァ」
俺がそう答えると土方さんは「なるほどな…」と言って苦笑いした
そう、先程吉野に呼び止められ頼まれたこと、それは苦手科目の数学を教えてくれとのことだった
まあ、数学は別に出来るし、仕方なくオッケーした
が
俺にとって問題はそこじゃねーんだ…。
頭の中でさっきのあいつの言葉がよみがえる。
ー明日10時に私の家集合ね!時間厳守だよー
なんでオメェの家なんでィ!
仮にもテメェの好きな男だろィ…簡単に家に入れてんじゃねーや。
「はぁ…」
溜息をつく俺をみて近藤さんは笑う
「いいじゃないか総悟、教えてやれ」
「…近藤さんが言うなら」
まァ、俺も勉強出来るし…あいつとも…普段よりは話せる…し
一石二鳥っつーことで…教えてやるか。
「にやけてんぞ」
「な、うるせェ土方ァ!」
仕方ねーだろィ…。