第9章 おんりーさんの本当の守護霊
そんなある日、大きな企画をやるからと会社に出演者五人が集められたことがあった。
周りのスタッフは大忙しで、もちろん私も雑務すら駆り出されて慌ただしい時間を過ごしたのだが、会社のスタッフのほとんどが五人のファンみたいなもので、一目でも見ようと空気感すら賑やかなものであった。
私はそこまでの余裕はなく、こっちの機械の最終チェックをしたら今度は機械トラブルへと走らされていたのだが、ようやく落ち着いてきた頃に、休憩室にいる五人をたまたま見かけてしまって足が止まった。
私もこれから休憩時間だったのだが、周りのスタッフもいないし、ここは気にせず休憩室を通過して別の仕事でもしてからにしようと思ったのだが、特にあのおんりーさんに取り巻く守護霊が怖くて進めない。
機械室はこの休憩室を通らないといけなかった。ここは一旦引き返して休憩も機械室も後にしようか、と悩みあぐねている内にパタパタと足音が近づいてきて、明るい声が私に掛けられた。
「あ、あの時のスタッフさんやん!」
おらふさんだ。
あ〜、見つかってしまった。私は咄嗟に逃げようとしたが、ドズルさんが気がついて、あ、休憩どうぞなんて席を空けられたら行くしかない。私はドズルさんの隣に座ることとなった。
そのドズルさんの向こうにはぼんじゅうるさんが座っていて、向かいの長椅子にはおんりーさんとおらふさんが座り、俺は立ってますよとメンさんが壁際に寄りかかりながら炭酸飲料水を飲んでいた。