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あの方々の守護霊は[dzl]

第1章 私は


 私はドズル社で働いているメカニック担当の一人だ。
 最初は、事務の仕事をして欲しいと、昔馴染みに言われて転職した先ってだけだった。前の会社が可もなく不可もなくって感じで、正直その職場で働く意味も見い出せなかったところ、友達に誘われてやって来た仕事先。私はそれまで、ドズル社が動画投稿をしているグループだったことすら知らなかったのだ。
 子どもの頃、誕生日で買ってもらったゲームを解体して組み直すということをしていたくらい機械に強かった私は、たまたま上司がパソコンの調子が悪いと言っていた時に直したのをきっかけに、私はメカニック担当になった。
 昔は、女が機械なんて弄るな、みたいな考えみたいなのがあって、はっきりと言われたことはなかったけれどもそういう雰囲気があったから誰にも話していなかったことだったが、この会社では私の能力を認めてくれてとても嬉しかった。
 とはいえ、私が出演者五人と直接会うこともなく。会社の壊れた機械系のものの修理を中心に働いていた。好きだったから資格はこっそりと取っていたので、ある程度のことは出来た。
 それでも私はこの仕事が楽しいと思っていた。私のこの好きな機械と携われること、何よりこの能力を認めてくれているから、会社の貢献をしないとなと、より頑張って働いていたある日、上司に言われ、先輩と一緒に出演者五人との接触が許されたのだ。
 この時私は知らなかったのだが、五人にはそれぞれ機械トラブルがあった時のために、何人か担当のメカニックスタッフがついているらしい。スタッフの一人が育児休暇を取ったので、私は臨時的に配属されたのだ。私は断る理由もないので快諾した。
 だが私は、ちらっとは見たことはあるのだが、ほとんど彼らの動画を見たことがなかった。彼らの住宅に向かう途中、先輩にどんな人か聞くと、動画のまんまだと言う。面白いんですか? と失礼極まりないことを聞いてしまったのだが、先輩は濁すことなく面白いと頷いた。これは先に動画を見るべきだったかな。
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