第4章 優しい交わり
「なんだ。
結局こんな早くに決断したのか。」
一週間後、
ミケの部屋を訪れたアンに、
ミケは呆れたような声で言う。
「……一週間は、結構悩んだ方だと
思うんですけど。」
自分の中ではかなり葛藤した方だ。
そんな風に言われるのは心外だが、
淫欲に負けるのが早いと思われれば
それはそれで仕方ない。
だが、エルヴィンの話を
聞き出したかったのも確かだ。
ミケはエルヴィンの一番近くに居る存在
と言っても過言ではない程に
一緒に居るところをよく見かける。
そんな相手がエルヴィンの情報を
提供してくれると言っているんだから、
そこに付け込まない訳にはいかない。